七味五悦三会の旅

ハンデと共に楽しく生きる夫婦の旅ログ。

台湾の介護の担い手

台湾も急速に進む高齢化社会と深刻な介護労働者不足に悩んでいます。そこで台湾が目を付けたのが、インドネシアやタイからやってくる外国人労働者。その中でも「日本で勉強して介護技術を身につけた人々」です。(どちらかと言えばタイ人やフィリピン人はメイドなど家事労働が中心)

近年、日本でもインドネシア等から介護労働の担い手として技能実習を受け入れていますが、たった2年間で「日常会話が日本語で話せる事」が必要条件になっているため、日本語習得に挫折して帰国してしまう人も少なくありません。

ここで挫折してしまった人を台湾は拾い上げて、新たな介護労働者の担い手としています。日本で優秀な介護技能を身につけている彼女達は、まさに即戦力。教育費用ゼロです。日本のやり方はつくづく不器用だと思いますね。

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台湾の介護労働者の働き方は日本と少し違います。福祉施設で働いている外国人労働者ももちろんいますが、多くは住み込みか特定の家に直接通います。介護を受ける家は彼女達の住居等を準備しなければなりません。

通いの場合は相応の家賃を負担しますが同居も多く、その場合は部屋を用意します。特に富裕層がそうしているというわけではなく、一般的に行われている例です。

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しかし、インドネシア人はイスラム教のムスリム華人の多くは仏教やキリスト教徒です。言葉はもちろん、宗教も食のタブーも違うので、躓いてしまう人もいるでしょう。しかし、台湾は国策として彼女達を優遇し、彼女達の宗教や習慣を尊重し、コミュニティの構築にも力を入れています。

台湾の各地にインドネシア人街があります。ムスリムの彼女達はハラールの食事しかできないので、特にタブーとなっている豚肉が多い台湾では食事に困りますが、コミュニティーを作ることでハラール食堂ができ、彼等の心拠り所にもなっています。

外国人街ができることに台湾の人々も全員が賛同しているわけではありませんが、それでも各地にそういったエリアができ、特に揉めることもなくやっていけるのは大したものだと思います。