七味五悦三会の旅

ハンデと共に楽しく生きる夫婦の旅ログ。

地雷のお茶「香片」に気をつけろ!

「香片」というお茶があります。いわゆるジャスミン茶のことで、中国語発音でシャンピン。沖縄の「さんぴん茶」は台湾のシャンピンから来た言葉です。中国広東省や香港などでも広く飲まれるポピュラーなお茶です。

しかしこの香片、残念ながらお茶としての地位は非常に低い。沢山の人に飲まれる大衆茶は品質よりも大量に安く作られる事が優先される為が故でしょう。

仕事柄、どうしても香片を仕入れなければならないこともありますが、いつも二度聞きされます。

しかし、香片というお茶は良いものは非常に手の掛かったお茶で、夜明けにジャスミンの花弁を摘み取り、緑茶と花弁をミルフィーユのように層に重ねて花の香りを少しずつ茶葉に移していきます。それを7度繰り返します。回数が多いほど香り高いよいお茶になります。

 

さて、台湾でお茶を買い求める時、お茶屋さんでいくつものお茶を試飲して納得したお茶だけを買い求めるのが一般的な買い方です。気になったお茶を店の主人に淹れて貰います。私も本気の時は2時間以上かけて試飲します。

しかし「香片」の試飲をお願いすると、そこで終了です。いくらお金を出しても良いお茶は絶対にでてきません。店主秘蔵のお茶はもう一生でてきません。「お茶の味がわからない人だ」という烙印を押されます。貴重な台湾茶、売る方も買い手を見ます。

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逆にお店から香片の試飲を薦められたら、そのお店には自慢出来る良いお茶を扱っていない証拠でもあります。が、これはもしや「あなたお売りできるお茶はありません」という意味も含んでいるのでは?「香片でも飲んで(帰って)おくれやす」的な?いけず?

いや、勘ぐりすぎだと思いますけどね。そこに良いお茶があるかどうかは兎も角「観光客相手だったらこれでいいだろう」という思惑は透けて見えます。

これから台湾に行かれる方、くれぐれも「香片」と口走らないように気をつけて下さい。香片の試飲をお薦めされたときも見極めのポイントです。香片は地雷です。高品質ないいお茶を置いている店ほど嫌われますので気を付けましょう。