七味五悦三会の旅

ハンデと共に楽しく生きる夫婦の旅ログ。

今!ココで!が大事、台湾街中に見るキャッチコピー。

「現打」という文字が書かれた屋台や飲食店を街の至る所でみかけます。現打は「現に今ココで作っています」という意味で使われる言葉。言葉自体は食べ物以外にも使えますが、飲食関係で使われることが圧倒的に多いですね。

「現打果汁」は搾りたてジュースと言う表現。台湾では果汁系ドリンクは100%が当たり前。濃縮果汁や冷凍果汁は好まれないので、注文ごとに搾るお店は現打とアピールする事が多いです。

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言い回し方は色々で現打を「現搾」に置き換え、「原汁」(混じり気なしの果汁100%)をつけて、原汁現搾というキャッチも良く見られます。現搾は判りやすいですね。

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 「現做」という表現はあまり見ないですが、意味は現打と同じ。割とどんな食べ物にも使われます。河粉はきしめん状の米粉麺のこと。

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「現炸」も見る機会の多いものの1つ。唐揚げからドーナツに至るまで揚げ物全てに使われます。この店はエリンギのフライ屋さん。流行ってます。

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「現切」もよく見る看板の1つ。夜市ではカットフルーツ屋、市場では代切屋という持参した野菜をカット&希望により簡単な調理をしてくれる店に書いてあります。カットフルーツの場合は注文を受けてから、その場で剥き剥きしてくれます。

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「現烤」は、ここで焼いてますという意味。注文後に焼くかどうかは店次第だけど、基本的に回転の悪い店は嫌われるので今まさに焼いていることが大事。同じく焼くという意味で「現焙」という言葉もあります。自家焙煎珈琲のお店にはよく書かれてあります。パン屋やケーキ屋は現烤と現焙が半々。
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こちらの現烤はバーベキュー屋の看板。注文を受けてから焼いてると時間がかかるので、やはり「今焼いてます」を実現するにはある程度流行っていて回転が早くないとダメ。調理に時間がかかるものは、メニューが1品に絞られている例も多く一品勝負。

「現點現作 請耐心等候」とあれば「注文を受けてから焼きますので暫くお待ちください」の意。

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 「現炒」は炒め物のお店です。炒め物は時間がかからない調理なので「快炒」と書かれることもあります。この手の食事は作り置きはまず売れないので必然的に現炒になります。
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「現包」は包む系の食品に使われる今包んでます!の意。中に餡や具材の入ったお餅の屋台でよく見ます。本当にそこで包んでるんですが、これは火を通すわけでないし包んで持ってきても良いのでは…?(客の前でひと手間かけるのが大事)

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「湯汁現熱」は熱々のスープ、転じてグツグツ煮ながら食べる(コンロがひとりずつある)という意味。ここはひとり火鍋のお店です。庶民的な鍋屋さんはキッチンでぐつぐつしてから鍋だけ運ばれてくるのが一般的なので、ひとりずつコンロのあるお店はこういうアピールをします。

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写真はありませんが、「現煮」「現滷」といったものも時々見かけます。関東煮(おでん)や滷味(台湾の煮込み料理)の店で使われます。現煮は判りやすいですね。 

 

変わり種は「現作」または「現造」。「現作POP海報」(POPポスターすぐ作ります)の意味…なんだけど、ここのオフィスはいつも遅くまで沢山のデザイナーやクリエイターが仕事していました。納期きついのかな…。現造は立体物を作る場合が多いです。
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「現折」折というのは割引のことです。「中午外帶 現折10元」はランチタイムにテイクアウトしたらその場で10元割引きますよの意。

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他にも「現租」今すぐ貸します(貸しバイク屋など)なども。

 

  極め付けはこれでしょう!

「現殺」。これは生きた魚やカエルを売る活魚店。注文されてから絞めるので現殺です。ちなみにスッポン屋にも書いてあります。

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「現」を使う事で「新鮮、手作り」をアピールできる便利な言葉。大きくアピールされている事が多いので、遠くからだと何を売っているのか判らなくても「現炸」と見えるだけで、何となく「あぁ揚げ物屋か」と判るので、知っていると便利な言葉ですね。