七味五悦三会の旅

ハンデと共に楽しく生きる夫婦の旅ログ。

海外旅行も悲喜こもごも

海外旅行というと毎日が珍道中で楽しいことばかりのように聞こえますが、実はそうでもありません。滞在期間が長いほど嫌な体験に遭遇する頻度も増えます。文化の違いで済むこともあれば、理不尽で悔しい思いをすることもあり悲喜こもごも。

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(記事と写真は関係ありません)

欧米に行けばあからさまな差別を受けることもあるし侮辱される事もよくあります。多くは「アジア人だから」という理由です。欧米系航空会社の機内や国際空港のコーヒーショップですら順番を飛ばされたり、空気のように無視される事は日常茶飯事。ハワイなど日本人定番の観光地では日系人や現地在住日本人が日本人を騙そうとしてきます。

同じアジアでもお釣りを誤魔化そうとしたり、お釣りや商品を投げつけられたり、或いはそこに商品があるのに「ないよ」と言って売ってくれなかったり、指をさして笑われたり。やれやれ…と流せることが殆どですが、いつまでも悔しい思いを引きずることもやっぱりあります。

自分達に不利益のある行為をされた時は反論して訂正させます。特にお金が絡む時は身の安全がある限り折れません。でも「嫌な思い」は抜けませんよね。スッキリしません。それ以外は今後の滞在に支障を来さない為にもこちらが折れる事が殆どです。

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(記事と写真は関係ありません)

旅行中に接する人々の殆どは善良な人々で、私たちに故意に害を及ぼそうとする人はごくわずかです。嫌な思いをしたときに言葉の壁で言い返せないもどかしさもありますが、そこは「言葉が通じないのだから」と納得することもできます。

普段の日本での生活も嫌な思いは沢山しますが、生きている限り何処にいてもそれは同じなんだなと思います。嫌な思いを一切しない安住の地は存在しません。

だからやはり自分自身に耐性をつけなきゃいけない。或いはスルーして受け流すスキルでも構わないと思います。心の鍛錬は生きて行く上で必要なことで、鍛えるためにはやはり外に出て人と会い経験と訓練をするしかありません。

引き籠もっていれば嫌な思いはしないでしょうか?遭遇する頻度は低くなるでしょうけど、多分そうではないと思います。海外にでてより一層「ストレスに対する耐性」と「言葉以外のコミュニケーション」の重要性を再認識したところです。

 

 

台湾の介護の担い手

台湾も急速に進む高齢化社会と深刻な介護労働者不足に悩んでいます。そこで台湾が目を付けたのが、インドネシアやタイからやってくる外国人労働者。その中でも「日本で勉強して介護技術を身につけた人々」です。(どちらかと言えばタイ人やフィリピン人はメイドなど家事労働が中心)

近年、日本でもインドネシア等から介護労働の担い手として技能実習を受け入れていますが、たった2年間で「日常会話が日本語で話せる事」が必要条件になっているため、日本語習得に挫折して帰国してしまう人も少なくありません。

ここで挫折してしまった人を台湾は拾い上げて、新たな介護労働者の担い手としています。日本で優秀な介護技能を身につけている彼女達は、まさに即戦力。教育費用ゼロです。日本のやり方はつくづく不器用だと思いますね。

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台湾の介護労働者の働き方は日本と少し違います。福祉施設で働いている外国人労働者ももちろんいますが、多くは住み込みか特定の家に直接通います。介護を受ける家は彼女達の住居等を準備しなければなりません。

通いの場合は相応の家賃を負担しますが同居も多く、その場合は部屋を用意します。特に富裕層がそうしているというわけではなく、一般的に行われている例です。

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しかし、インドネシア人はイスラム教のムスリム華人の多くは仏教やキリスト教徒です。言葉はもちろん、宗教も食のタブーも違うので、躓いてしまう人もいるでしょう。しかし、台湾は国策として彼女達を優遇し、彼女達の宗教や習慣を尊重し、コミュニティの構築にも力を入れています。

台湾の各地にインドネシア人街があります。ムスリムの彼女達はハラールの食事しかできないので、特にタブーとなっている豚肉が多い台湾では食事に困りますが、コミュニティーを作ることでハラール食堂ができ、彼等の心拠り所にもなっています。

外国人街ができることに台湾の人々も全員が賛同しているわけではありませんが、それでも各地にそういったエリアができ、特に揉めることもなくやっていけるのは大したものだと思います。

 

外食文化の台湾、手作り出来たてのこだわり。

台湾は男女共働き社会。しかも週休1日が基本。家事をする暇などありません。ベビーシッターや掃除などをするメイドも普及しています。台湾を見ていると家事をしながら共働きは難しいのではないかと思いますね。

家事をしないというのは食事も例外ではなく三食とも外食です。多くはテイクアウトして家で食べます。親は遅くまで働いているので、子供達だけで食事することもよく見る光景。休日の家族団らんももちろん外です。キッチンのない家も普通にあります。

そんな外食文化の台湾の街には安くて美味しい飲食店がひしめき合い、日々熾烈な競争が繰り広げられています。

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台湾の食堂では調理場がオープンになっていることが殆どで、店前の軒下(歩道)にキッチンと業務用冷蔵庫を置き、麺を打ったり餃子を包んでいる姿ももはや当たり前の光景。それはキッチンが店内にあっても同じで、写真のようにオープンにも程があるキッチンも。

注文した料理が目の前で調理されます。台湾人に限らず中華民族は基本的に「作り置きの食事」というものを嫌います。正確に言えば「冷めた料理」が好きではありません。だからこのように客の前で「いままさに作っています!」をアピール。台湾風に言えば「現打」「現煮」「現炒」「現焼」です。
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このお店は座席が全て屋内にありますが、長細い空間の長辺にキッチンと冷蔵庫。調味料に何を使っているか、鮮度の高い野菜を使っているか、清潔であるか全て丸見え!店の人も気が抜けませんね。

台湾では飲食店の経営を始めるのはそんなに難しい事ではなく、割と簡単に始められます。自己資金がなければ屋台から。自転車で大八車を引いて売り歩く、ちょっと懐かしいスタイルの飯屋も沢山あります。ただ、台湾人の舌は肥えている。毎年同じ街へ行きますが、跡形も無く無くなっているお店も多数。厳しい!

 

うどんは麺料理ではない、スイーツだ!(一部の意見です)

これは「米苔目」と呼ばれるライスヌードル。米とタピオカでできた太麺です。タピオカが入っているのでコシが強く、食感はビーフンというよりも冷凍うどんに似ています。ブツブツと切れてしまうライスヌードルのイメージではありません。 

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どこからどう見ても「うどん」にしか見えませんよね。しかしこれ、台湾の一部地域ではスイーツになります。カキ氷や蜜豆の具です。麺料理とスイーツの両方があるのではなく、うどんはスイーツ材料という認識。だから麺料理のうどんを食べると「???」となるらしい。

地域性があるらしく、例えば台北や台中と言った西海岸の北中部ではスイーツとして食べ、南部や東部では麺料理として食べるそう。スイーツとしての食べ方はカキ氷のトッピングが一般的ですが、甘い黒糖シロップをかけたり、緑豆湯や紅豆湯(いわゆる汁粉)の具にも。

麺をスイーツとして食べる文化は台湾だけでなく、マレーシアの「チェンドル」というライスヌードルと同じ使われ方だと思います。チェンドルもタピオカの入ったライスヌードルで、カキ氷やココナッツミルクに入れて食べます。日本にも大分にやせうまという(小麦粉の)平うどんにきな粉砂糖をまぶして食べる料理があるように、麺をスイーツとして食べる文化は珍しくはないのですが…。

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 でも自分でうどんを買ってきてスイーツにしようとは思わないので(メシマズの匂いしかしない)、私は「うどんは麺料理文化圏」の人間なのでしょう。

ちなみに台湾人のなかでも「うどんをスイーツになんて信じられない」「うどんを食事にするなんて信じられない」と意見が分かれています。

日本で言えば「ところてん」三杯酢派と黒蜜派のみたいな感じでしょうか。私はところてんを初めて食べた時、広島に居たので三杯酢派です。黒蜜はちょっと…な感じなので、多分、台湾人のうどんもこれと同じではないかと思う。

 

【2019/8/29追記】

スイーツの方の米苔目を食べてきました。夢だったんですよ、これ食べるの。意外と出してる店がないんです。

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具が底に埋まってて見えない…

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ちょっと見た目がアレで申し訳ないですが、たしかに入ってます、うどん。味は付いていません。やや柔らか目に茹でた感じです。

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アリっちゃアリだけど、あまりすすんで食べることはないかなと言うのが感想。同じく米粉とタピオカで作るマレーシアのチェンドルは、氷の冷たさで麺が半分凍るので歯応えがシャクシャクとしていいのですが、米苔目は凍ってくれないので今ひとつ歯ごたえが悪い。

やはり最初からスイーツとして生まれたチェンドルの勝ちかな、と言う印象です。

  

辛辣なクチコミを書く人々、クチコミを気にする人々

クチコミを読まれる方も多いと思います。行こうとした店の点数がとても低いことを知ったら、ちょっと立ち止まってしまいますし点数が低い理由を知りたくなると思います。

Googleマップには自店舗に寄せられた匿名のクチコミに対して、店主が個々に返信する事ができる機能があります。今回はそのお話。なお、Googleマップのクチコミ機能の是非については今回は置いておきます。

台湾は外食文化故に大小様々な商店がひしめき合い、各店舗が日々熾烈な競争にしのぎを削っています。消費者の分母が大きい分、クチコミがつく数も多いです。台湾人がクチコミをどれだけ参考にしているのかは分かりませんが、辛辣な辛口コメントから長いレビューを書く人も割といる事から、一定の指標にはなっているのでしょう。

台湾では付けられた匿名のクチコミに対して店主が返事を書くケースがよくあります。来店のお礼がほとんどですが、なかにはクチコミに反論するもの、言い訳、言葉の応酬でケンカになる例もあります。

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これは店主が来店とクチコミを寄せてくれた事へのお礼を返信したもの。点数は3/5と良くはないですが、大多数はこの様に波風立たない対応をします。

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日本人がつけたクチコミに対してもコメント。

多くは来店や高評価に対するお礼、低評価でも真摯に受け止めるものですが、

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低評価のクチコミに対して攻撃的な反論をして炎上する例もよくあります。ちょっとした不満点を綴った2/5のクチコミに対するお店のコメントは、店側が如何に正当であるかの言い訳に終始。

低評価のクチコミも正当な評価から悪意あるものまで様々ですが、それを店主が無視できずに反応してしまう、そう言った例は田舎に行くほど多かった印象です。

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これはもう取り返しの付かないレベルにまで炎上した例で、店側が訴訟の話まで持ち出す始末。ただ、この元になったクチコミも中傷に近いので店は気の毒だと思う。

Googleマップのクチコミは投稿者以外は消す事ができないので履歴が永遠に残ります。だから炎上させることは得策ではないし、無視するのが1番ではないかと思いますが…、自己主張してナンボの中華民族、波風立てずに済まそうとするのは日本人、国民性でしょうか?

 ちなみにマレーシアではクチコミは付くけど全く気にしません。やっぱり国民性?