七味五悦三会の旅

ハンデと共に楽しく生きる夫婦の旅ログ。

ドライな事故対応、台湾。

今日は3度、人身事故(日本基準)を目撃しました。台湾では日常茶飯事です。台湾人曰く、交差点ごとに1日に2〜3回は起きるレベルらしい。

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台湾人の運転の荒さや、マナーの悪さは際立ちます。原付スクーターの信号無視は当たり前、スクーターの3人乗り、4人乗りも当たり前。警察も取り締まりません。しかし事故を何度も何度も起こす人もいれば、安全運転で全く起こさない人も居り、皆が乱暴という訳ではない…と台湾人は言いますがどうでしょう?

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横断歩道を歩く人々がいても車やスクーターが隙間をめがけて猛スピードで割って入ってきます。彼等は一刻も早く目的地に行きたいんです。台湾仕様のスクーターはやたらに加速が良くできており、ヤマハなど日本メーカー製も台湾向けは仕様を変えているほど、台湾人は早く行きたい。

台湾人曰く「日本人のように信号と走行速度を律儀に守っていたら、いつまで経っても目的地に着けないじゃない」。優しくて人懐っこい国民性で知られる台湾人もハンドルを握ると性格が変わるようです。公共のバスもタクシーも例外なく。

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1度目に目撃した事故はトラックとスクーターの事故。スクーターが転けてナンバープレートも外れて破損。土曜日で人々で混み合う繁華街での事故ということもあり、流石に警察がきて両者から聞き取りをしていましたが、日本の様に交通鑑識の実況見分はありません。この後、恐らく調書にサインして、その場で示談して終わりでしょう。

日本の場合は自動車保険請求の絡みで例え怪我がなくても警察官と救急車を呼ぶのが当たり前になっていますが、台湾では重症度や死亡事故でない限りそんな事はしないようです。

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2度目の事故は青信号で横断歩道を歩いていたら、目の前をスマホをいじりながら歩いていた女性が、左折してきた軽トラに轢かれました。

心臓が止まるかと思った。転倒することはなかったけど「ドカン、バリバリ!」と鈍い音。軽トラのドアミラーが裏返って、ボディーも凹んでる。

流石にこれは人身事故やろ、救急車呼ばなあかんやろ、自分らが目撃証言者になるのか?とか色々考えていたら…、加害者と被害者が一瞬目線を合わせ、事故発生から5秒で解散。

歩行者の女性もスマホに気を取られていましたが、明らかに無理に左折しようとした軽トラの前方不注意。しかし加害者は窓をあけて手を振って終わり。まるで「道を譲ってくれて有り難う」的なノリ。女性は腕を多少気にしてたけど、特に立ち止まる事もなく、まるで蚊にでも刺されたかのようにそのまま行ってしまいました。

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この例はよくある事で、以前にも車とスクーターの接触事故を目撃したときにも、お互いの車とバイクが凹んだのに手を振って終わり。

基本的にその場で当事者間が示談する事が当たり前で、実際に怪我をしていなければ病院にもいかないし賠償も求めず、その場の「目線の了解」で終わってしまいます。

今回の彼女も「自分もスマホを見て前をよくみていなかったし、痛かったけど怪我もないし」ということで「お互い様」という暗黙の了解で終わらせたのかもしれません。

勿論、日本のように強制保険や任意保険はありますが、任意保険加入率は低くそもそも保険の有無にかかわらず当事者間交渉での示談が当たり前です。

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3度目はやはり軽トラとスクーターの接触事故。まぁこの例の過失は5:5がいいとこやろとは思いましたが、スクーターは転けて破損もしている。しかし当事者同士でちょっと話をして1分しない間に解決。警察など呼びもしません。

怪我や損害が発生したら、加害者と被害者が話し合って金額の折り合いを付けることがほとんどで、入院する怪我だったとしても入院期間や休業補償は基本的には個人間で話し合って決めます。折り合いが付かなければ、保険会社や弁護士が介入する流れのようです。

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日本の交通事故対応は「ゴネ得」の側面が強いと思います。実際に怪我をした内容や重軽に拘わらず「誠意がない」とかそういうイチャモン感情論に走ってしまいますよね。

そういう点では、怪我や大きな損害がなければその場で終わらせ、そうでない場合はどうせお金の話になるのだから最初からその話をする。台湾の事故対応は非常にドライだなぁと思いますが、出来る事ならばもう少し「ゆとりとやさしさ」の運転をして欲しいものです。

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あと、旅行者に特に注意しとほしいのが路肩停車中の車の存在です。路肩に停車している車の側を通りたい時、日本なら車内のドライバーの挙動を見て「自分の存在に気づいていないなor気付いているな」と確認ができるので危険予測ができると思います。

しかし、台湾やマレーシアではガラスがフルスモークで車内が全く見えないのでドライバーの様子を伺い知ることができません。突然急発進して車に接触してしまう危険性があります。路肩駐車の多い海外では特に注意が必要です。