七味五悦三会の旅

ハンデと共に楽しく生きる夫婦の旅ログ。

"残念な嘉義"の10日間を振り返る①

嘉義市は人口27万人程度。嘉義県の中に直轄市として嘉義市があります。従って嘉義県の県庁所在地は嘉義市ではありません。元々ここに住む人々は先住民族の平埔族、そしてかつて福建省漳州から来た客家人を中心にした人々ですが、歴史とともに漢人と同化が進んでます。

今回は観光客の勝手な目線で嘉義の残念な所を書きたいと思います。

f:id:riyuetan:20190810214542j:image

嘉義站は台湾観光の代表のひとつ、阿里山森林鉄道の始発駅で阿里山観光の玄関口です。街の中心は駅南側です。大型観光地への始発点でありながら、嘉義駅から徒歩10分圏内の商店はまばらでシャッター街もあったりで駅から見渡せる範囲の外は閑散。その割にホテルは沢山あり、完全に阿里山に行く人達が「寝に来るだけ」の状態です。

駅前には暇そうなタクシーが溜まり、改札口からでてくる観光客に片っ端から声をかけて客引きしてきますが、みんな阿里山へ連れて行こうとします。嘉義市内の話が全くでてこないあたり嘉義の立ち位置がうかがい知れますが、実は嘉義にも故宮南院など素晴らしい施設があります。

f:id:riyuetan:20190817121511j:plain

中国語で「不要!Bùyào!」と断りますが、駅前のコンビニに行くまでに5人は声をかけてきます。みんな阿里山へ連れて行こうとします。結構しつこい。

これでも嘉義は観光誘致に力を入れてるらしい。しかし現実は阿里山に行く人の一部が一晩寝るだけの場所で、日帰りの人は嘉義駅の外にすら出ずに台北や台南へ帰って行く。駅内観光案内所にも阿里山と何故か台北や台南など他の街のパンフレットが置かれている。

地元に素晴らしいものがありながら地元資源を軽んじて街が空洞化する例は、グヌンムル国立公園の玄関口、マレーシアのミリ市と同じ構図。こういうタイプの街は商業と文化の集積に乏しく面白くない。

f:id:riyuetan:20190810214538j:image

嘉義の商業の中心は嘉義文化路夜市を中心とした商店街。400m程度の夜市で毎日開催。特に金土日に屋台が多く土曜日がピーク。平日は3〜7割減りますが、それでも賑わっています。

他の商業地としては三越デパートと遠東百貨店のあるエリア、SHOWTIME映画館、耐斯広場 時尚百貨がありますが、それぞれエリアを形成するには至らず、そもそもデパート自体も小規模で、これでやって行けるのかと心配になるほど閑散としています。

いずれの施設も周囲には何もなく、徒歩移動は困難です。ごく小さな商業地が点在してしまったために商圏を形成するに至らず小粒に。

f:id:riyuetan:20190810214500j:image

嘉義の観光産業はこの嘉義文化路夜市に頼っています。他にも旧日本軍監獄跡地や月桃故事館、故宮南院、最近観光誘致のために嘉義市政府が作った檜村などがあり、観光マップにも記載があるものの、いずれもそこに行くための交通手段がないので、そりゃ誰も行かないでしょう。それぞれのスポットが離れているので徒歩移動もできません。

f:id:riyuetan:20190810214433j:image

嘉義市の公共交通はバスがあります。BRTというたいそうな名称をつけた割に2路線、うち1路線は完全に重複してるので実質1路線しかない。走っているのを目撃したことがありません。

13路線ある路線バスもバス停が少ない上に本数も少なく、乗り過ごしたら喫茶店にでも入ろうかというレベルだけど、その喫茶店もない。土日のみ数本運行の路線も多く、都市圏を形成する中核市の中心部とは思えない脆弱な公共交通。

f:id:riyuetan:20190817122302j:plain
嘉義の交通はタクシーに頼ることになるわけですが、タクシースタンドも殆どなくUberも使えず。行ったはいいけど帰ってこれないと言う事態も十分あり得る。ここはマレーシアの山奥か!

 

つづく